人は城 人は石垣 人は城 情けは味方 仇は敵なり
人は城、人は石垣、人は城、情けは味方、仇は敵なり
これは戦国時代の名将として名高い武田信玄の言葉です。
歴史が好きな人なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
武田信玄といえば無敵といわれた騎馬軍団を要したことで有名です。
かの徳川家康も惨敗を喫し命からがら逃げ延びたほど。
そんな武田信玄は居城といえるような城を作りませんでした。
ライバルだった上杉謙信の春日山城や北条氏康の小田原城などと比較するとずいぶん奇妙に思えます。
それに対する答えがこの名言とされているのです。
大事なのは人、住民をいつくしみ、大事にしていれば恐れることはない。
城などなくても敵を追い払うことができるし、どんな災厄にも対処できる。
そんな思いと、自身の統治に対する自負が込められた言葉です。
現代社会では会社が誰のものか、という議論をよく聞きます。
社長のものか、創業者一族のものか、あるいは株主のものか。
その一方で従業員の権利や尊厳がないがしろにされている面もあります。
非正規社員が増え、いわゆる「派遣切り」が大きな問題となっています。
一方では従業員を大切にするところは業績を伸ばしたり、安定した経営を維持できているケースもよく聞きます。
やはり大事なのは現場で働く人。
この名言は武田信玄の時代から400年以上を経た現在においてもなお大きな意味を持っているのです。
自分のことだけしか考えない人も増えている世の中、改めて見直してみる必要があるのではないでしょうか。
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