鞍馬の火祭(京都/秋10月/期間/歴史)

年中、行事や祭の多い京都は

このようなイベントに事欠かない気配がありますが

10月に行われる、京都のちょっと珍しい祭を、あなたはご存知でしょうか?

その祭の名前は「鞍馬の火祭」です。

京都府京都市の、左京区は鞍馬に存在する由岐神社における例祭の一つで

10月22日と、毎年時代祭と同じ日に行われています。

この祭の起源と言われているものは

940年、平安京の内裏に祀られている由岐神社の由岐明神を

都の北方の守護として鞍馬に遷しました。

これは、当時頻発していた大地震や争いなどの

相次ぐ世情の不安を沈めるために、当時の天皇・朱雀天皇の提案だったものです。

この遷宮の際、道中を、鴨川に生えていた葦をかがり火にして点灯をしました。

遷宮の行列は1kmにもなり、この様子に感激した鞍馬の住民たちが

この出来事と由岐明神の霊験を、伝えるために始まった祭なのだ、と言われています。

この歳事が始まるのは、夕方の18時頃から。

「神事にまいらっしゃれ」という「神事触れ」の合図で

集落の各戸に積まれた松明に点火を行います。

松明を持った者たちが、鞍馬寺を目指して練り歩く様は

あやしさと美しさが混じって、とても印象深いもの。

祭を見るには、その祭礼を行う道というものは非常に狭いものなので

当日この祭を見るにはなかなか大変です。

また、交通機関は叡山電鉄のみ、それもこの車両は2列編成なので

現地にたどり着くのも一苦労、の印象があります。

しかし、それを差し置いてもこの祭は一見の価値あり。

是非生で見ることをオススメします。


武智建樹

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